子宮内膜症の治療法
女性にとって身近な病気のひとつとも言える子宮内膜症。
子宮内膜症の治療方法には、手術療法と薬物療法があります。
どんな治療法を選択するかは、症状の度合いや本人の希望、妊娠を望んでいるかなどで異なりますので、医師とよく相談をして決めていくことになります。
もちろん症状によっては、メスを入れる手術をしなくても、治療することが可能です。
まず、子宮内膜症の疑いを感じた時は、すぐに病院に行きましょう。
診断は、問診に始まり、内診、お腹の中を見る超音波検査、そして血液検査を行います。
内診は初めてのときは抵抗があると思いますが、子宮や卵巣の大きさ、癒着の程度がわかる重要な検査です。
子宮内膜症の確定診断は、腹腔鏡内検査を行わないとわかりませんが、全身麻酔をし、お腹に小さな穴を開けるなど大掛かりな検査となるため、通常は行われません。熟練した医師なら、内診などの基本の検査でたいていの情報はわかります。
そして、検査の結果、症状の重度によって、薬による治療や手術による治療が選択されます。
まず、軽症なら鎮痛剤を使った対症療法や漢方薬を使いながら、経過を見ます。
それでも症状改善が見られない場合は、ホルモン療法が行われます。
ホルモンの働きをコントロールし、擬似的な閉経状態・妊娠状態を作り出すことで症状を改善させるのです。
薬物を使ったホルモン療法には次の2種類があります。
■偽閉経治療
内服薬や注射薬、点鼻薬、を使用し、閉経状態にする治療法です。生理をとめてしまうわけですから、当然治療中は生理痛や子宮内膜症の進行はとまります。ただし、副作用がありますので注意が必要です。
GnRHアナログ療法では、人工的に閉経状態をつくるため、更年期の症状が起こりやすく、のぼせ、ほてり、肩こり、発汗、頭痛などの副作用があります。
ダナゾール療法では男性ホルモン系を使うため、ニキビや体重増加などの副作用があります。
また、治療を中止すると再び月経が始まるため、子宮内膜症が進行する可能性がありますね。
■偽妊娠治療
子宮内膜症の自然治療法は妊娠することです。そこでピルを使用し、妊娠しているのと同じ状態にし、治療を行います。
一般的に偽閉経治療に比べ、副作用は少なく費用も安いですが、その分治療効果が薄く長期間の治療が必要となります。
しばらくは赤ちゃんが必要のない方向きの治療ですね。